ワインカラーのオデッセイ
「親になった僕と子どもだった頃の僕の組み合わせだと、僕はどんな言葉を口にしてどんなふうに返すだろう」
(流星ワゴン/重松清)
先日の上京時に読み切れなかった分を昼休みに。
これは単行本が出た年の本の雑誌ベスト本選びで絶賛されていた。
時間ものは卑怯だと思いながらもこのテのものにはつい手を出して泣かされる。
北村薫のにも何かあった。
過去を再体験しながら破綻するであろう行く末を回避しようとする、ほとんどファンタジーである。
まったく同世代の作家で、過去にも文庫になった際にいくつか読んでいるが中年男の描写についてとてもうまい。
親になっていない自分だから、もしかしたら本当には理解できていないかもしれないが。
これも映画になるようだが、ちょっと見てみたい気がする。
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